小さな村プーリーへ
私たちは、カルカッタで痛い目に会い、逃げるようにして
プーリーという海岸の美しい街へ向かうため
夜行列車に乗った。
しかし、トイレに行っている間に
日本で買ったばかりの上質な寝袋を盗まれた。
小さな漁村のプーリーでは、ホッカムリをしたおじいさんに
「伊勢海老を海に行って採ってきてやるぞ!」と
意気込まれ、200ルピー(2000円)を渡したのだが、
その夜は、待てど暮らせど、とうとう
おじいさんは帰って来なかった。
ところが、翌日の夜遅く、おじいさんは、汚い新聞紙に
車エビのように小さな黒こげになったエビを持ってきて
「食べろ。焼いてきたぞ」と言った。
すっかり冷えた小さなエビを、ホテルの部屋でヤケ食いしている
私たちをじっと見て微笑んでいるおじいさんが、なんとなく
いとおしく思えた。
村を周るのに、リキシャーマンをやとって、彼に
毎日案内をしてもらい、仲良くなった。
40歳くらいに見えたが、彼は、まだ25歳の青年だった。
自転車に乗って、鍛えられた足が美しく、悲しげな目をしていた。
彼の住所を聞くと英語で「NEAR THE STATION」と書いてくれた。
「駅のそば」。 それだけで、彼がどのくらい貧しいのか
想像を巡らせてしまった。
彼の誕生日を聞いても、「分からない。母から教えてもらった
こともない」という。彼には誕生日は、ないのだ。
色々な人に出会い、日々、次第にインドのペースに慣れてきて
「なんだかなあ・・」と思いながらも、旅に余裕が出て
楽しくなってきた。
再びカルカッタに戻り、今度は、当時まだお元気に活躍されていた
マザーテレサに会いたくなり
マザーの施設をようやく探して、辿りついたのだが・・・。
続く・・・。
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